今日、私は、久しぶりに従兄弟に会いに行きます。・・・と言うか、これから、毎日会うんだけど。
「ちゃん!」
そう言って、将君が出迎えてくれた。
「久しぶり、将君!」
「本当にこっちに来たんだね。」
「まぁね。」
私は、夢の為、将来は東京に出ようと思っていた。そしたら、親が「今から、都会の空気に慣れといた方が、いいんじゃないかしら」とか言い出して、いつの間にか、私だけ、将君の家に来ることになっていた。
「これから、よろしくお願いします。」
「こっちこそ。」
「何でも言ってね。私、家の手伝いぐらい、しなきゃ悪いし・・・。」
「わざわざ、ありがとう。」
「いや、礼を言いたいのは、こっち。」
そんなこんなで、私の新しい生活は、始まった。
「そういえば、今日は功兄が・・・。」
「こ、功兄が、どうしたの?!」
私は、やけに『功兄』という単語に反応してしまった。・・・ちなみに、功兄というのは、もう1人の従兄弟で・・・・・・。
「功兄、今日は帰りが遅くなるんだって。だから、ちゃんと会うのは、明日になりそうだ、って言ってたよ。」
「あっ・・・。そう。」
「本当に、ちゃんは功兄のこと、好きなんだね。」
「そ、そんな普通に言わないで・・・!」
・・・私の好きな人でもある。昔は、一緒に遊んでくれる、お兄さん的な存在だった。けれど、いつしか、私は功兄のことが好きになっていた。だから、今日も楽しみにこっちに来たのだ。
「残念だったね。」
「別に・・・!」
でも、今日、会えない方がいいかもしれない。だって、心の準備が出来るから。
しかし、アクシデントというものは、突然起こるものなのだ。
「功兄!今日は遅くなるんじゃなかったの?」
「ただいま、将。そんなに俺が早く帰ってくるのが、嫌なのか?」
「違うけど。」
「実は、あれ、嘘だったんだ。2人を驚かそうと思ってな。」
「もう・・・。」
「それより、ちゃんは?」
「・・・あれ?さっきまで、いたのに。」
2人が探し出した。・・・そろそろ出た方がいいのかな。・・・現在、トイレに隠れ中。
「トイレにでも、行ったのかもしれないね。」
将君のおかげで出るタイミングが整った。・・・私の心の準備もOKみたいだし。
「あっ、ちゃん!どこ行ってたの?」
「トイレだよ。・・・あれ!功兄!・・・おかえり。」
我ながら、わざとらしい・・・。
「ただいま。久しぶりだな。」
「うん。久しぶり。」
駄目だ〜・・・。やっぱり、実際会うと、緊張する〜・・・!
「ん?」
なぜか、功兄がじっと見てくる・・・。しかも、かなり近い距離で。
「・・・・・・何?」
「・・・いや、ちゃんも大人になったなぁ、と思ってな。」
「・・・・・・・・・。」
そんなこと言われたら、余計緊張するし・・・!・・・今、すごく顔が熱いのがわかる。
「照れた顔も、かわいいなちゃん。」
「からかわないでよ!」
「本当のことを言ったんだよ。・・・なぁ、将。」
「そうだね。・・・そういえば、功兄、まだ晩御飯、食べてないよね?僕らも、まだなんだ。だから、久しぶりに3人で食べよう。」
「うん。そうしよう!」
将君、話を変えてくれて、ありがとう・・・!きっと、考えて変えたんじゃないだろうけど。
「今日は、ちゃんが作ってくれたんだよ?」
「なるほど。道理で美味いわけだ。」
「将君も、手伝ってくれたからね。」
「ということは、何もしてないのは俺だけか。・・・片付けぐらい、するよ。」
「いいよ、功兄!私がするから。」
「いや、いいから。」
「でも・・・!」
そう、私達が言い合っていると、将君がポンと手を叩いて言った。
「そうだ!2人でやれば、いいんじゃない?」
「へ・・・?」
「だって、どっちも譲りそうに無いんだもん。」
そう言って、将君はウインクをした。・・・まさか、将君、私のことを考えて・・・・・・?
「僕は、その間、お風呂に入っておくね。それじゃ、2人とも、あとはよろしく。」
・・・・・・・・・将君!そんなことしなくていいのに!ど、どうしよう・・・。
「将の言ったとおり、2人でするか。」
「うん・・・。」
そして、私達は後片付けをした。・・・無言のまま。
まぁ、なんでも私が「うん」とか「そうだね」で、話を終わらせてしまうのが悪いんだけど。だって、緊張するんだもん。・・・でも、この無言も嫌。
「それにしても、本当に大人になったな、ちゃん。背も随分、伸びたみたいだし。」
「うん、すごく久しぶりだからね。」
「「・・・・・・・・・。」」
また、だ・・・。もう、どうしたらいいの?
「・・・なぁ、ちゃん。もしかして、俺のこと嫌い?」
「そんなこと無いよ!」
「そうか。なら、いいんだけど。なんか、ちゃん。俺といる時は、あんまり、しゃべんないから、さ。」
それは、好きだからだよ・・・・・・、とは言えないし。
「そう?やっぱり、年上だから、少し遠慮した方がいい、って心のどこかで思ってるのかもしれない。」
私は、決して、嫌いではない、ということを精一杯、アピールした。
「そっか・・・。」
そう、功兄が淋しそうに言った。
「功兄・・・?」
「俺さ、小さい時から、歳が離れてるのが、嫌だった。なんか、同い年だと、やっぱ話も合うだろ?だから、将とちゃんが、いつも2人で、なんか俺は、おまけみたいで・・・。」
そんなこと、思ってたんだ。
「それに、実は、俺、昔、ちゃんのこと、好きだったんだよな。それで、将に『お前は?』って聞いたら、『僕も。』って答えてさ。まぁ、将は『友達として好き』だったんだけど。だけど俺は、それを聞いて、無理だ、って諦めた。歳が離れすぎてるから。」
昔・・・。今は、違う。そういうことだよね?
「だから、今でも歳が離れてて、ちゃんとあまり、話せないのは残念だな、って・・・。・・・、ちゃん?!」
私は、泣いていた。声は出していなかったけど、涙がどんどん流れていた。
「ごめん。・・・何も無いから、気にしないで。」
「気にせずに、いられるわけが無いだろ。・・・どうしたんだ、ちゃん。」
そう言った功兄の顔が、とても優しく、私は今、自分の素直な気持ちを伝えても、後悔しない気がした。
「あのね、私。功兄が好きなの。だから、今は好きじゃないのかな、って思うと悲しくて、勝手に涙が・・・。」
「ちゃん、それは『友達として』なのか?それとも・・・。」
「『友達として』じゃなくて、異性の人として、好きなの。」
そう、私は、はっきり言った。今まで、しゃべることだけで、緊張していたのに、自分の気持ちを素直に言えた。・・・無理だとわかっているけど、悔いは無い。
「そうか。・・・ごめん。」
そう功兄が言った途端、目の前が暗くなった。そして、妙に暖かい気がした。どうやら、功兄に抱きしめられている、ということがわかった。
「功兄・・・?!」
「ごめん、俺が変な嘘をつくから・・・。ちゃんを悲しませちゃったみたいで。」
・・・嘘?どこが?もしかして、昔も好きじゃなかったの?
「今も、ちゃんのこと、好きなんだ。もちろん、『友達として』なんかじゃなく。」
「・・・え・・・・・・?」
「ごめんな、ちゃん。」
そう言って、功兄は強く、私を抱きしめた。
「いいよ。私も、今まで言わなかったのが、悪いし。」
すると、功兄が私を離し、目を見て言った。
「好き、じゃ『友達として』なのか、どうなのか、わかりにくいけど、もっと、わかりやすい言葉があるんだ。・・・何か、わかる?」
急に、そんな「なぞなぞ」のようなことを功兄は聞いてきた。
「・・・大好き?」
「う〜ん・・・。おしいかな。・・・・・・答えは『愛してる』でした。・・・愛してるよ、ちゃん。」
そう言って、功兄は、また私を抱きしめた。
「うん、私も。」
「も・・・?」
「・・・愛してるよ、功兄・・・・・・。」
そう、私は照れながら言った。そして、功兄が更に、強く抱きしめ、私はしばらく、功兄の体温を感じていた。
「(僕、いつ、お風呂から出れば、いいんだろう・・・?)」
と考えていた将君が、のぼせて出てくるまで・・・・・・。
私の英語の不得意さが伝わるタイトルですね・・・(遠い目)。
「not love」って捉えないでくださいね!「This is not 'Like', this is 'Love'」的な感じです。
あぁ、こっちにしても、英語の苦手さが・・・orz
嫌いじゃないんですが、できないんですよ・・・!!特に、これを書いたのは、中学生でしたから、許してやってください・・・!!(土下座)
ところで、私は「ホイッスル!」をアニメでしか見たことがありません(←えぇっ?!)。
なので、細かい間違いが多々あるかもしれませんが、ご了承ください・・・;;